■アケビ(あけび科)
 漢名は木通、通草など。和名にはアクビ、チャベル、アケビカズラなどの方言がある。山野に自生する蔓生の灌木で他物にまきついて、ツルが遠くまで伸びてゆく。葉は五つの小葉からなり軍配形をしている。互生である。
 花は四月頃、葉腋から細い梗を垂れて沢山咲く。淡竹色のが雄花で、雌花は暗紫色で前者より少し大きい。秋に爪のような実が2〜3個つく。熱すると紫色になり一方からタテに裂ける。中味は白色の瓢であり、そのまた中に紫黒色の種子がたくさんに入っている。1種ミツバアケビというのがある。効用は同じだ。

「薬用部と利用法」
 蔓と茎をとり乾かしたものをキザミ1日量八〜十二g煎じてその汁を利尿薬とし、じん臓、水腫、むくみに内服する。嫩葉は茄でて食料となしまた干して茶にする。種子の油は非常によいから天ぷらに使える。また瓢(実の中の白い皮)はうす甘く、果実のように喰べる。蔓は龍や土瓶などの取手に巻いてよい。