■カノコソウ(おみなえし科)
 漢名は吉草。別名をハレリア、また春オミナエシといい、北海道などに野生も見受けるが、大体栽培品である。宿根草で葉は対生、奇数羽状に全裂し、裂片は線状披針形で鈍鋸歯がある。花は淡紅色で小さい。冠毛を有する。なお西洋カノコソウは葉が狭長、ツルカノコソウは見たところ軟弱で枝が匐う。薬用には成分が少ないから駄目である。

「薬用部と利用法」
 根茎及び根を使用。根部を掘り乾かし、一回一〜二g煎じてのむ。頭痛、神経衰弱、血の道、のぼせ、ヒステリーなどに効く。昔はアルコールで侵出し、チンキとしてこれを一〜二g内服させた。単に根を熱湯でふり出してのんでもよい。