■ナツメ(くろうめもどき科)
 漢名は大棗。庭園に植えられる落葉喬木。葉は葉柄短く卵円形で、平滑の面をなし、花は淡緑色の小花で聚繖花序をなし、腋出である。果実は長だえん形の核果で紅熟する。なおシナ産にはサネブトナツメというのがあり、枝にトゲがある。日本では生育しても実がだんだん小さくなる。

「薬用部と利用法」
 果実を秋に採り乾かしておく。煎じ薬のほとんどすべてに配合される。単味にて使用しても強壮の効あり。この果実と甘草を各五g、それに小麦二〇g、まぜて全体を炒り、これを煎じてその汁をのむと神経衰弱によく効く。ナツメの果実は大体滋養強壮薬である。